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取引基本契約書の品質保証条項(商社取引で提示された場合の対処方法) [法務]

私は今商社取引を行う部門の法務を担当しています。商社の法務では、メーカーの法務ではあまり検討することのなかった問題を検討する必要があり、日々格闘しているのですが、特に最近の検討事項は「取引基本契約書の品質保証条項」への対応です。具体的には「商品の原材料・製造工程・製造場所など製品の品質に影響を及ぼす事項に変更がある場合は、事前に連絡すること」といった条項や「品質管理体制を整備すること」といった条項への対応です。こうした「メーカーとの取引を前提にした取引基本契約書の品質保証条項」を提示されてしまうと商社としては困ってしまいます。商社では海外メーカーから商品を購入し国内客先に販売するというものが一般的で、その商品の製造には一切関わっていませんから、商品の原材料などに変更を行うか否かも当然主体的に関わることはできませんし、そうした理由から客先に商品の原材料などの変更について事前連絡して対応を協議することは事実上厳しいといえます。客先からは海外メーカーから事前に連絡がもらえるよう交渉せよ、という要請が入ることもあるのですが、海外メーカーの標準品をそのまま購入するという取引が多いため、一々海外メーカーに事前連絡させるというのは無理があります。こうした場合、私のいる会社では「努力義務」条項に変更してもらうというスタンスで交渉してもらうことが多いのですが、力関係からなかなか受け入れてもらえないのが実情です。そうなるとあとはそうした条項をどこまで商社に厳しく要請していくかについて個別に確認していくことになります。例えば、客先から「取引基本契約書は定型書式だから変更はできないが、商社取引においては厳しくは適用できないものもあることを理解し、協議して対応していくつもりだ」といった回答が得られれば、これを言質にその取引基本契約書にもサインしてしまうこともあります。これまでの私の経験では、こうした担当者レベルの回答を言質に契約を進めるということはあまりなかったのですが、こうしたことも中堅レベルの商社では行われているということを知り、驚くと同時に、ほかに何かよい方法はないかということを日々考え検討しています。こうした「商社の法務ならではの悩み」といったことについて商社の法務の方とお話できる機会があればうれしいなと考えています。


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コメント 3

某法務部員

法務部への復帰おめでとうございます!
はじめてのコメントになりますが、長年楽しく読ませていただいております。
ご指摘の件ですが、その商社さんが日本の正規代理店である以上、法の上でのPLとか瑕疵担保の責務を負わざるを得ないでしょうし、その点もふまえると品質管理体制は整備すべきではないでしょうか。
些細な仕様の変更も事前に把握できるように外国のベンダーさんとの契約内容を見直してもらうことが先決のように思えるのですが、どうでしょう??
それが難しいのであれば、口銭ビジネス(代行輸入)を基本とした役務提供契約に切り替える、というのはどうでしょうか? そうすればその商社さんにとって物品の提供はas is, as availableベース、そして損害賠償の上限は支払っていただいた手数料まで、とできますしね。 でもそれでは日本の顧客との信頼関係は築けないでしょうね。
以上思い付きのコメントです。 的を得ていないコメントかもしれませんが、お考えを教えていただければ幸いです。


添付ファイル
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Size:464bytes




by 某法務部員 (2012-04-21 07:57) 

おと

いつも楽しく拝見させて頂いています。

私は某中堅商社にて、契約書の担当をしています。

通常、商社では、取引額に一定比率を乗した手数料をもらうとが一般的です(いわゆる口銭)。

その際によく社内で話すのは、「品質リスクは、だれがもつの?」ってことです。

もちろん、法律的には輸入者がその責任を負うとこになっていますが、商取引上で品質リスクを取りたくないときは、

「商社は、コミュニケーションジェントとして、製造者(海外メーカ)と、買主との円滑な連絡を取る。」

と定めるなどして、品質リスクを取らない事もあります。

お客様にとっては、「商社から買っているんだから、品質リスクもとってよ」との希望はよくわかりますが、もともと低率の口銭(数%)で商売をしている場合は、品質リスクまでは負担できない。

ということにもなります。


もちろん、ご指摘の通り、契約締結には力関係もあるので、簡単にはいきませんが、商社は商社の都合があったりします。

これからもブログを楽しみにしています。













by おと (2012-06-11 18:05) 

ロントメチー

某法務部員さん、おとさん
コメントを頂き感謝致します。長期間何もコメントできず申し訳ありませんでした。
「商社の品質管理責任の問題というのは、商社にとって永遠の課題である」という話を、あるベテラン法務担当者から聞いたことがあり、論点の多いところであることがわかってきました。
現状の交渉方法としては、
①取り扱う商品が「メーカー管理下で製造されるカタログ品・標準品」の場合は、原材料等の変更についての事前通知は容赦頂けるよう交渉する(加えて、メーカーから連絡があった場合に限り連絡するという内容で納得してもらえるよう交渉する)
②それ以外の特注品などの製造委託品については、(当然のことながら)責任をもって事前通知する旨約束する
といったものですが、お客様から理解を頂ける場合とそうでない場合の双方があります。
この点については、また別の形で検討のうえコメントしていきたいと考えております。
ロントメチー
by ロントメチー (2012-06-24 22:49) 

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