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秘密情報の特定 [法務]

秘密保持契約の契約審査では、秘密情報の定義がきちんとなされていることをしっかり確認することが重要です。これまでの経験上、秘密情報の定義は2つの項目で定義されることが多いと感じています。それは、
①有形のもの(書面・サンプルなど。メール・CDRなどを含む)
②無形のもの(口頭や映像で開示されるもの)
の2つです。
これらの「特定」方法についてですが、①については、秘密である旨の「表示」(「秘」や「Confidential」など)を付することで「特定」するという内容になっていることが多いです。
一方、②については、開示の際に開示する側が秘密である旨の「表明」するということにしたうえで、当該情報の概要を14日~30日以内に書面化して開示を受けた側に通知することをもって秘密情報として「特定」するという内容にするという内容になっていることが多いといえます。
②については徹底されていない契約書もあり、口頭情報の書面化義務などを追記する交渉には合意してくれない取引先もいますが、口頭情報は担当者が異動などで交替した場合などにおいて管理が徹底されなくなるケースも容易に考えられるため、②にあげたようなルールをきちんと定めておくよう強く勧めています。
もっとも、何でもかんでも書面化しなければならないということではありません。例えば、
ⅰ)施設内で見聞きした情報
ⅱ)当該秘密保持契約の存在
ⅲ)当該秘密保持契約のもとで協議をしている事実
については、秘密である旨の「表示」も「書面化」もいらない性質のものであるといえます。
そこで、ⅰ)~ⅲ)にあげた事項については、例えば
「①②のルールに拘わらず、秘密情報とみなす」
という条項を①②とは別に定めるという方法も考えられます。こうした例外を設けておくことで、取引先からの受け入れ可能性が高まる可能性もあります。
事業の自由度を確保し、管理対象を少なくするためにも、秘密情報は徹底して「特定」することが大事なのですが、「特定」しにくいものの存在についても認めたうえで、それをいかに文書に表現するかが問われる局面であり、法務部員の腕の見せ所であると考えています。

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コメント 3

ニック

私は今年の4月から法務部に配属された者です。大昔に司法試験の勉強をしていたこともあり、法律の基本的な考え方は身に付いていると思うのですが、なにぶん法律から長く遠ざかっているのと、教科書から学んだことと実際の実務での運用のされ方にギャップを感じるため、四苦八苦しているところであります。そんな折に「法務部員がやっていること」というブログを見つけ、色々と参考にさせて頂いています。

ところで私の会社では契約書の雛形があり、営業の方はそれに必要事項を書き込んで法務部に提出してきます。契約の種類も売買、賃貸借など雛形が作りやすいものが多いです。契約書の雛形があり、それに当てはめれば事が足りるような契約の場合、法務部員としてはどのよう点に留意して審査を進めればよいでしょうか?雛形に当てはめれば事が足りるような契約の場合、法務部員として会社に貢献していないような気がして少し心苦しいです。法務部員の先輩から定型的な法務審査に当たる後輩法務部員に何かアドバイスが頂ければ、嬉しいです。

by ニック (2010-04-21 21:12) 

ロントメチー

ニックさん
コメントありがとうございます。私の会社でも契約書の雛形(当社では定型契約書という呼び方をしています)があります。例えば、購買用の取引基本契約書、引き合い用の秘密保持契約書、同じく引き合い用の秘密保持誓約書、情報交換用の秘密保持契約書、工事を請け負う際の工事請負基本契約書、各種保守契約書、合意解除書、派遣基本契約書、業務委託基本契約書など全部で40種類ほどあります。当社の場合、こうした定型契約書は、内容の変更がない限り法務部の審査には回ってきません。というのは、こうした定型契約書は、当該取引に必要な項目を網羅しており、リスクも限定的であるためです。このように社内の仕組みとしては、法務部の審査は不要とされているのですが、こうした定型契約書でも、例えば、秘密保持契約書の検討内容については個々の契約ごとに担当者が自由に書き込めるようになっているため、その表現の仕方について個別に相談を受けることがあります。また、顧客の要請により定型契約書の内容を変更しなければならない場合には、どこまでの変更ならリスクに影響しないかについて担当者と一緒に検討することもあります。さらに、定型契約書は使われる局面が制限されているのですが(上にあげたように「引き合い用」とか「情報交換用」とか)、当該取引内容がこの局面に合致しているかについても相談を受けることがあります。このような相談に対応することで、リスクのコントロールに十分貢献できていると感じます。まずは、こうした相談が自分のところにどんどん入ってくるよう、社内における自分のブランドを高める努力をしていくことからスタートするといいと思います。前にも少し書いたことがあるのですが、持ち込まれた相談が多ければ多いほど、自分の実力もアップしていくことを実感できるのが法務部の仕事です。やりがいは圧倒的です。一緒に頑張りましょう。
by ロントメチー (2010-04-21 23:35) 

ニック

ロントメチーさん、詳細なアドバイスありがとうございます。
リスク回避の観点から雛形を具体的事案に合せていかに修正していくかという点で法務部員としての力量が試されるのですね。そのためには、色々相談してもらえるよう、社内での自分のブランド力を高めていくことが必要というアドバイスは、自分の中にすっと入ってきました。自分のブランド力の向上、これは単に法律の知識を知っているだけではダメですよね。まだまだ法務部員として半人前ではありますが、ロントメチーさんのブログを参考に自分も力をつけていきたいと思います。今後も有益な情報を掲載されますよう、よろしくお願いします。

by ニック (2010-04-23 04:27) 

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